基本セット Magic2010が2009年7月に発売されたことに伴い、
MtGは幾つかの(大きな)新しいルールを導入しました。
この7種です。
(マナの取り扱いの変更は更に2つに分かれるので、7種8類)
今回から復習と確認の意味で、
それぞれ詳しく書きたいと思います。
今回はマナの扱いの変更について書きます。
・マナの扱いの変更
プレイヤーが呪文や能力などによって生み出したマナは
"マナ・プール"に溜められます。
マナ・プールとは生み出されたマナが置かれる場所で、
用語的な意味での領域ではありません。仮定された空間です。
マナを使うにはマナ・プールにあるマナを使わなくてはいけませんし、
通常、マナ・プール以外にマナを溜める手段や
マナ・プール以外のマナを使う機会を得ることはありません。
そして全てのプレイヤーにマナ・プールは、
各フェイズの終了および各ステップの終了ごと
に空になります。
(M10ルール導入前は各ステップごとではなく、
各フェイズの終了時のみ、空になっていました。)
また、フェイズの終了時に残っていたマナの点数分、
そのオーナーはライフを失うという"マナ・バーン"も無くなりました。
ちなみにフェイズとステップとは
の、5種のフェイズ、10類のステップのことです。
そのうち、結果として最も大きな変更であったのは
戦闘フェイズ(に含まれた4類のステップ)での挙動です。
ステップに割り振られた細かい役割の説明と共に、
可能な挙動と不可能な挙動について例を挙げて紹介します。
-戦闘開始ステップ
・まず、攻撃プレイヤーは防御プレイヤーを対戦相手から一人選びます。
(選んだ対戦相手一人だけが防御プレイヤーになります。)
・その後、戦闘開始ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積みます。
・その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
それぞれについて補足と説明をします。
>>・まず、攻撃プレイヤーは防御プレイヤーを対戦相手から一人選びます。
一人対一人の通常の試合の場合、
防御プレイヤーを一人選ぶ行為は通常省略されて行われています。
一人対多人数などの場合は
必ず攻撃クリーチャー指定ステップの前に
防御プレイヤーを選ぶことを覚えておきましょう。
(勿論、"選ばなかったから"と防御プレイヤーが不在になることはありません。
これはルール行為であり強制行為です。)
また選んだ対戦相手が"防御プレイヤー"であるのは
防御プレイヤーに選んだ地点から
この戦闘開始前ステップ中を含めた戦闘フェイズ中です。
>>・その後、戦闘開始ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積みます。
"戦闘開始時に、"というテキストの誘発能力が該当します。
現状、
<<闘争か逃亡か/Fight or Flight>>
<<ヨハン/Johan>>
<<立つか転ぶか/Stand or Fall>>
<<惰性の網/Web of Inertia>>
の4枚が該当するでしょうか。
"戦闘中"というのは、戦闘開始前ステップを含めた戦闘フェイズ中です。
必ず誘発した後で優先権を得ます。
能力の誘発自体を避けたい場合は、これの一つ前のフェイズである
メインフェイズ(戦闘前メインフェイズ)で対応する必要があります。
>>・その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
開始時に誘発した能力がスタックに詰まれた状態で、優先権を得ます。
優先権獲得下での挙動は説明を省略しますが、
"戦闘開始ステップの開始時に誘発した能力"は
通常通り、"更に後から乗せたスタックの解決を先に行う"
ということは注記しておきます。
攻撃プレイヤーがコントロールするクリーチャーが持つ、
"防御プレイヤーが"特定の基本土地"をコントロールしていない限り、攻撃できない。"
という類の攻撃制限(<<天上のヒゲエラ/Ethereal Whiskergill>> など)
に、防御プレイヤーが能動的に対応できる最後の機会でもあります。
勿論、<<目潰しの魔道士/Blinding Mage>>などで
攻撃されたくないクリーチャーをタップすることが出来る最後の機会でもあります。
この戦闘開始ステップ中に生み出されたマナは、
この戦闘開始ステップの終了時に消えます。
次の攻撃クリーチャー指定ステップの開始時には
既にマナ・プールは空ですので、ここで生み出されたマナを
次の攻撃クリーチャー指定ステップ中に支払うことは出来ません。
(次に優先権を得る以前である、手順(8)=後述でも支払うことなどは出来ません。)
スタックが空の状態でお互いが優先権を放棄したとき、
次の攻撃クリーチャー指定ステップへ移行します。
ちなみに、略称としてこの戦闘開始ステップを
「戦闘開始前」や「戦闘開始」、「アタック前」と呼ぶ場合があります。
-攻撃クリーチャー指定ステップ
・まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定します。
・次に、攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力がスタックに積みます。
・その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
>>・まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定します。
>>(1)攻撃プレイヤーは、どのクリーチャーが攻撃するかを選びます。
この選択自体は任意であり、召還酔いに相当しないクリーチャーは
攻撃クリーチャーとして不適切なものでも選べますが、
続く手順を完了できない場合は、攻撃クリーチャーを選び直します。
>>(2)攻撃プレイヤーは、攻撃クリーチャーごとに攻撃するプレイヤーを選びます。
防御プレイヤーがルールによって複数いるとき、
防御プレイヤーがプレインズ・ウォーカーをコントロールしているとき、
攻撃プレイヤーは攻撃クリーチャー1体ごとにその攻撃先を選びます。
防御プレイヤーがプレインズ・ウォーカーをコントロールせず、
単一である場合は、必ずその防御プレイヤーを攻撃します。
>>(3)攻撃クリーチャーに攻撃制限があるかどうかを確認します。
防衛や、天上のヒゲエラなどの"特定の状況下では攻撃できない"
という能力を持つクリーチャーを攻撃クリーチャーに選んでいる場合、
今がその状況に該当するかどうかを確認します。
該当(攻撃制限がある場合)した場合、
それが攻撃クリーチャーであることは不適切なので、
手順を完了できず、攻撃プレイヤーは(1)に戻ります。
<<Moat>>などの攻撃制限もここで確認します。
>>(4)攻撃していないクリーチャーに攻撃強制があるかどうかを確認します。
<<ギデオン・ジュラ/Gideon Jura>>の起動型能力などによって、
攻撃強制を受けている場合で、なおかつ攻撃していないクリーチャーがいる場合、
(3)での攻撃制限を含めた、攻撃できない状況であるかどうかを確認します。
タップ状態である場合、コストを支払わなければ攻撃できない場合などです。
*コストを支払わなければ攻撃できない場合で、コストが支払える場合でも、
攻撃強制(可能な限り攻撃しなければならない)という効果は
コストを支払うことまでは強制できないので、
それは攻撃しなくて良いということになります。
勿論、コストを支払えば攻撃できますし、しなければなりません。
>>(5)アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップします。
タップにするのはコストではなく、攻撃によって単にタップ状態になるだけです。
また攻撃は起動型能力ではないので
<<静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence>>などの
起動型能力を制限する能力によっては攻撃制限されません。
>>(6)攻撃に参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいる場合、
アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決めます。
コストとは攻撃によって単にタップ状態にすること以外の、
追加/任意のコストとして求められる全てです。
マナ、タップ、生け贄、捨てるなどがあります。
攻撃制限を解除するためのものには、
<<洗脳/Brainwash>>など、マナの支払いを求めるものが多いです。
>>(7) コストにマナの支払いが必要な場合、
アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得ます。
このマナの支払いは優先権を獲得しないまま、起動の機会を得ます。
またマナ能力はスタックに乗らないという性質により、スタックに乗らずに解決します。
もちろん、<<槌のコス/Koth of the Hammer>>など
タイミングが限定されているマナを生み出す能力は使えないし、
<<暗黒の儀式/Dark Ritual>>などの、
マナを生み出す呪文を唱える機会でもありません。
(ちなみに、忠誠度能力はマナ能力ではないので、
呪文である暗黒の儀式同様、槌のコスの能力はスタックに乗ります。)
>>(8)自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、
そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払います。
コストの一部のみを支払わないことは出来ません。
払うなら必ずすべてのコストであり、
それが不可能なら、可能な状態になるように(1)から繰り返します。
マナ能力の制限などによって
少しずつ払って帳尻を合わすというようなことは出来ません。
>>(9)選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャーになります。
それのコントローラーが攻撃プレイヤーから変更されるか、戦闘から取り除かれるか、
または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続けます。
<<リバー・ボア/River boa>>などが持つ再生は、
解決時にそれを戦闘から取り除きます。
*先制攻撃持ちとの戦闘=後日述などで重要な部分です。
>>・攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力をスタックに積みます。
<<信号の邪魔者/Signal Pest>>などが持つ喊声は
攻撃クリーチャーを指定することによって誘発します。
この誘発によって、攻撃クリーチャーの特性がその能力の誘発条件に
合致するように変化しても誘発しません。
>>・アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
(1)~(9)は、基本的全てスタックに乗らない特別な行動です。
とても長くなりましたが、通常は殆どが省略されている手順です。
ここでの呪文や能力の解決の結果、
例えば<<刃砦の英雄//Hero of Bladehold>>などの誘発効果で
攻撃しているクリーチャーが戦場に出る場合、
攻撃プレイヤーは、クリーチャーが戦場に出るに際して、
(2)に準拠して攻撃する防御プレイヤーを攻撃するのか選びます。
それらのクリーチャーは「攻撃している」状態ですが、
それらのクリーチャーは「攻撃した」クリーチャーではありません。
先ほどの戦闘開始ステップと同様、
この攻撃クリーチャー指定ステップ中に生み出されたマナは、
この攻撃クリーチャー指定ステップの終了時に消えます。
次のブロッククリーチャー指定ステップの開始時には
既にマナ・プールは空ですので、ここで生み出されたマナを
次のブロッククリーチャー指定ステップ中に支払うことなどは出来ません。
再び、スタックが空の状態でお互いが優先権を放棄したとき、
次のブロック・クリーチャー指定ステップへ移行します。
ちなみに、略称としてこの戦闘開始ステップを
「戦闘」や「コンバット」、「アタック宣言」「攻撃宣言」と呼ぶ場合があります。
但し、「戦闘」は「戦闘開始前ステップ」で使われる文言でありながら
「攻撃クリーチャー指定ステップ」では使われていない文言であることから、
特に初心者には混同・誤解しやすい略称でもあります。
長くなってしまったため、
ここまでで、一端記事を区切ります。
ブロック・クリーチャー指定ステップ以降は
次のエントリーで詳しく説明します。
MtGは幾つかの(大きな)新しいルールを導入しました。
・同時マリガン
・用語の変更
・領域の変更
・マナの扱いの変更
・トークンのオーナーの変更
・戦闘ダメージの変更
・絆魂と接死の変更
この7種です。
(マナの取り扱いの変更は更に2つに分かれるので、7種8類)
今回から復習と確認の意味で、
それぞれ詳しく書きたいと思います。
今回はマナの扱いの変更について書きます。
・マナの扱いの変更
プレイヤーが呪文や能力などによって生み出したマナは
"マナ・プール"に溜められます。
マナ・プールとは生み出されたマナが置かれる場所で、
用語的な意味での領域ではありません。仮定された空間です。
マナを使うにはマナ・プールにあるマナを使わなくてはいけませんし、
通常、マナ・プール以外にマナを溜める手段や
マナ・プール以外のマナを使う機会を得ることはありません。
そして全てのプレイヤーにマナ・プールは、
各フェイズの終了および各ステップの終了ごと
に空になります。
(M10ルール導入前は各ステップごとではなく、
各フェイズの終了時のみ、空になっていました。)
また、フェイズの終了時に残っていたマナの点数分、
そのオーナーはライフを失うという"マナ・バーン"も無くなりました。
ちなみにフェイズとステップとは
開始フェイズ
-アンタップ・ステップ
-アップキープ・ステップ
-ドロー・ステップ
メイン・フェイズ(戦闘前メイン・フェイズ)
戦闘フェイズ
-戦闘開始ステップ
-攻撃クリーチャー指定ステップ
-ブロック・クリーチャー指定ステップ
-戦闘ダメージ・ステップ
-戦闘終了ステップ
メイン・フェイズ(戦闘後メイン・フェイズ)
最終フェイズ
-終了ステップ
-クリンナップ・ステップ
の、5種のフェイズ、10類のステップのことです。
そのうち、結果として最も大きな変更であったのは
戦闘フェイズ(に含まれた4類のステップ)での挙動です。
ステップに割り振られた細かい役割の説明と共に、
可能な挙動と不可能な挙動について例を挙げて紹介します。
-戦闘開始ステップ
・まず、攻撃プレイヤーは防御プレイヤーを対戦相手から一人選びます。
(選んだ対戦相手一人だけが防御プレイヤーになります。)
・その後、戦闘開始ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積みます。
・その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
それぞれについて補足と説明をします。
>>・まず、攻撃プレイヤーは防御プレイヤーを対戦相手から一人選びます。
一人対一人の通常の試合の場合、
防御プレイヤーを一人選ぶ行為は通常省略されて行われています。
一人対多人数などの場合は
必ず攻撃クリーチャー指定ステップの前に
防御プレイヤーを選ぶことを覚えておきましょう。
(勿論、"選ばなかったから"と防御プレイヤーが不在になることはありません。
これはルール行為であり強制行為です。)
また選んだ対戦相手が"防御プレイヤー"であるのは
防御プレイヤーに選んだ地点から
この戦闘開始前ステップ中を含めた戦闘フェイズ中です。
>>・その後、戦闘開始ステップの開始時に誘発する能力をスタックに積みます。
"戦闘開始時に、"というテキストの誘発能力が該当します。
現状、
<<闘争か逃亡か/Fight or Flight>>
<<ヨハン/Johan>>
<<立つか転ぶか/Stand or Fall>>
<<惰性の網/Web of Inertia>>
の4枚が該当するでしょうか。
"戦闘中"というのは、戦闘開始前ステップを含めた戦闘フェイズ中です。
必ず誘発した後で優先権を得ます。
能力の誘発自体を避けたい場合は、これの一つ前のフェイズである
メインフェイズ(戦闘前メインフェイズ)で対応する必要があります。
>>・その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
開始時に誘発した能力がスタックに詰まれた状態で、優先権を得ます。
優先権獲得下での挙動は説明を省略しますが、
"戦闘開始ステップの開始時に誘発した能力"は
通常通り、"更に後から乗せたスタックの解決を先に行う"
ということは注記しておきます。
攻撃プレイヤーがコントロールするクリーチャーが持つ、
"防御プレイヤーが"特定の基本土地"をコントロールしていない限り、攻撃できない。"
という類の攻撃制限(<<天上のヒゲエラ/Ethereal Whiskergill>> など)
に、防御プレイヤーが能動的に対応できる最後の機会でもあります。
勿論、<<目潰しの魔道士/Blinding Mage>>などで
攻撃されたくないクリーチャーをタップすることが出来る最後の機会でもあります。
この戦闘開始ステップ中に生み出されたマナは、
この戦闘開始ステップの終了時に消えます。
次の攻撃クリーチャー指定ステップの開始時には
既にマナ・プールは空ですので、ここで生み出されたマナを
次の攻撃クリーチャー指定ステップ中に支払うことは出来ません。
(次に優先権を得る以前である、手順(8)=後述でも支払うことなどは出来ません。)
スタックが空の状態でお互いが優先権を放棄したとき、
次の攻撃クリーチャー指定ステップへ移行します。
ちなみに、略称としてこの戦闘開始ステップを
「戦闘開始前」や「戦闘開始」、「アタック前」と呼ぶ場合があります。
-攻撃クリーチャー指定ステップ
・まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定します。
・次に、攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力がスタックに積みます。
・その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
>>・まず、アクティブ・プレイヤーは攻撃クリーチャーを指定します。
>>(1)攻撃プレイヤーは、どのクリーチャーが攻撃するかを選びます。
この選択自体は任意であり、召還酔いに相当しないクリーチャーは
攻撃クリーチャーとして不適切なものでも選べますが、
続く手順を完了できない場合は、攻撃クリーチャーを選び直します。
>>(2)攻撃プレイヤーは、攻撃クリーチャーごとに攻撃するプレイヤーを選びます。
防御プレイヤーがルールによって複数いるとき、
防御プレイヤーがプレインズ・ウォーカーをコントロールしているとき、
攻撃プレイヤーは攻撃クリーチャー1体ごとにその攻撃先を選びます。
防御プレイヤーがプレインズ・ウォーカーをコントロールせず、
単一である場合は、必ずその防御プレイヤーを攻撃します。
>>(3)攻撃クリーチャーに攻撃制限があるかどうかを確認します。
防衛や、天上のヒゲエラなどの"特定の状況下では攻撃できない"
という能力を持つクリーチャーを攻撃クリーチャーに選んでいる場合、
今がその状況に該当するかどうかを確認します。
該当(攻撃制限がある場合)した場合、
それが攻撃クリーチャーであることは不適切なので、
手順を完了できず、攻撃プレイヤーは(1)に戻ります。
<<Moat>>などの攻撃制限もここで確認します。
>>(4)攻撃していないクリーチャーに攻撃強制があるかどうかを確認します。
<<ギデオン・ジュラ/Gideon Jura>>の起動型能力などによって、
攻撃強制を受けている場合で、なおかつ攻撃していないクリーチャーがいる場合、
(3)での攻撃制限を含めた、攻撃できない状況であるかどうかを確認します。
タップ状態である場合、コストを支払わなければ攻撃できない場合などです。
*コストを支払わなければ攻撃できない場合で、コストが支払える場合でも、
攻撃強制(可能な限り攻撃しなければならない)という効果は
コストを支払うことまでは強制できないので、
それは攻撃しなくて良いということになります。
勿論、コストを支払えば攻撃できますし、しなければなりません。
(+α)攻撃クリーチャーの中にバンド能力を持っているクリーチャーがいる場合、
アクティブ・プレイヤーは各クリーチャーがどうバンドを組んでいるのかを宣言します。
バンドを持つクリーチャーの少なさから、今回は説明を省略します。
>>(5)アクティブ・プレイヤーは選んだクリーチャーをタップします。
タップにするのはコストではなく、攻撃によって単にタップ状態になるだけです。
また攻撃は起動型能力ではないので
<<静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence>>などの
起動型能力を制限する能力によっては攻撃制限されません。
>>(6)攻撃に参加するためにコストの支払いが必要なクリーチャーがいる場合、
アクティブ・プレイヤーは攻撃に参加するための総コストを決めます。
コストとは攻撃によって単にタップ状態にすること以外の、
追加/任意のコストとして求められる全てです。
マナ、タップ、生け贄、捨てるなどがあります。
攻撃制限を解除するためのものには、
<<洗脳/Brainwash>>など、マナの支払いを求めるものが多いです。
>>(7) コストにマナの支払いが必要な場合、
アクティブ・プレイヤーはマナ能力を起動する機会を得ます。
このマナの支払いは優先権を獲得しないまま、起動の機会を得ます。
またマナ能力はスタックに乗らないという性質により、スタックに乗らずに解決します。
もちろん、<<槌のコス/Koth of the Hammer>>など
タイミングが限定されているマナを生み出す能力は使えないし、
<<暗黒の儀式/Dark Ritual>>などの、
マナを生み出す呪文を唱える機会でもありません。
(ちなみに、忠誠度能力はマナ能力ではないので、
呪文である暗黒の儀式同様、槌のコスの能力はスタックに乗ります。)
>>(8)自分のマナ・プールに充分な量のマナを入れてから、
そのプレイヤーは好きな順番ですべてのコストを支払います。
コストの一部のみを支払わないことは出来ません。
払うなら必ずすべてのコストであり、
それが不可能なら、可能な状態になるように(1)から繰り返します。
マナ能力の制限などによって
少しずつ払って帳尻を合わすというようなことは出来ません。
>>(9)選ばれたクリーチャーは攻撃クリーチャーになります。
それのコントローラーが攻撃プレイヤーから変更されるか、戦闘から取り除かれるか、
または戦闘フェイズが終わるまで、それは攻撃クリーチャーであり続けます。
<<リバー・ボア/River boa>>などが持つ再生は、
解決時にそれを戦闘から取り除きます。
*先制攻撃持ちとの戦闘=後日述などで重要な部分です。
>>・攻撃クリーチャーが指定されたことによって誘発する能力をスタックに積みます。
<<信号の邪魔者/Signal Pest>>などが持つ喊声は
攻撃クリーチャーを指定することによって誘発します。
この誘発によって、攻撃クリーチャーの特性がその能力の誘発条件に
合致するように変化しても誘発しません。
>>・アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
(1)~(9)は、基本的全てスタックに乗らない特別な行動です。
とても長くなりましたが、通常は殆どが省略されている手順です。
ここでの呪文や能力の解決の結果、
例えば<<刃砦の英雄//Hero of Bladehold>>などの誘発効果で
攻撃しているクリーチャーが戦場に出る場合、
攻撃プレイヤーは、クリーチャーが戦場に出るに際して、
(2)に準拠して攻撃する防御プレイヤーを攻撃するのか選びます。
それらのクリーチャーは「攻撃している」状態ですが、
それらのクリーチャーは「攻撃した」クリーチャーではありません。
先ほどの戦闘開始ステップと同様、
この攻撃クリーチャー指定ステップ中に生み出されたマナは、
この攻撃クリーチャー指定ステップの終了時に消えます。
次のブロッククリーチャー指定ステップの開始時には
既にマナ・プールは空ですので、ここで生み出されたマナを
次のブロッククリーチャー指定ステップ中に支払うことなどは出来ません。
再び、スタックが空の状態でお互いが優先権を放棄したとき、
次のブロック・クリーチャー指定ステップへ移行します。
ちなみに、略称としてこの戦闘開始ステップを
「戦闘」や「コンバット」、「アタック宣言」「攻撃宣言」と呼ぶ場合があります。
但し、「戦闘」は「戦闘開始前ステップ」で使われる文言でありながら
「攻撃クリーチャー指定ステップ」では使われていない文言であることから、
特に初心者には混同・誤解しやすい略称でもあります。
長くなってしまったため、
ここまでで、一端記事を区切ります。
ブロック・クリーチャー指定ステップ以降は
次のエントリーで詳しく説明します。
コメント
多くは戦闘フェイズ(とアップキープ)ですからねえ。